【雑感】久保帯人のファンクラブがすごい話

 ども、けろです。

 緊急事態宣言とかいう(個人的には)愚策極まりない政策、早く終わってほしいですね。暇すぎて心がすり減っていくので。あと経済も壊滅的なダメージを受けるので、ここはうまいこと医療とのバランスを取ってほしいと思います。ロックダウンやら戒厳令を出せないことは、日本の強みだと思っているので、どうか健康至上主義に走りすぎないでくれ、と切に願っています。

 と、政治的な主張はここら辺にして、本題です。

 以前唐突に書いた考察記事と同様、まじでディベートに関係ない記事、趣味100%です。ディベートやらジェンダーに関する更新を期待していた方、すみません。

kerokero0441.hatenablog.com

 

 以下目次です。

 

0.はじめに

 

 僕のことをご存知の方は何を今更と思いますが、僕は狂信的なBLEACH、もとい久保帯人作品信者です。小学校高学年の時に近所のフリーマーケットで出品されていたBLEACHの単行本をふとしたきっかけで読んだ時から頭の先端までどっぷりその世界観に魅了された純粋培養の厨二病患者です。

 時折考察者っぽくああだこうだとTwitter上で早口ツイートをしていますが、根は一人の読者なので、基本的には作者様から与えられる作品を読んでは妄想を膨らませています。

 正直、考察者を名乗ってyoutube動画でも作ろうかと思ったことは一度や二度ではないんですが、既に先達者が多くいらっしゃる上に、BLEACH考察界隈では絶対に越えられない方が一人いらっしゃるので、自分はあくまでも一人の読者としておとなしくしていようと思ったわけです。

 ちなみにその考察界隈の神様は下記にリンクを貼る方です。考察の深さ、正確さ、どれをとっても一級品です。暇な方はぜひ。

hoasissimo.hatenablog.com

 

1.ファンクラブがすげぇ

 

 本題です。この度1月18日に久保帯人ファンサイトがオープンしました。めでたいですね。

klub-outside.com

 

 注目したいのが「BLEACHファンクラブ」ではなく久保帯人ファンクラブ」という点です。

 ファンクラブは有料登録となっていて、Elite(年会費8000円)とEntry(月額500円)の2コースから選べるんですが、登録しておくと久保先生書き下ろしのイラストだったり質問コーナーだったり飼い犬の可愛い写真だったりと、先生のプライベートが除けるようになっています。

 ここに載っているイラストは他のどの媒体にも載っていない(言わば"落書き")もので、ファンとしては"滾"りますよね。涎どばどばですよ。

 

 あとですね、このファンクラブのネーミングとロゴデザインが"やばい"んですよ。

 久保先生といえば言葉遊びだったりデザインにこっそり仕掛けを施したりするのが特徴なんですが(BURN THE WITCH読切の最終ページはやばすぎて絶叫しました)、このサイトロゴも例に漏れず。

 

f:id:kero_0441:20210120144755p:plain

 

 わかりますかね。よく見るとK(l)u b O(u)t(s)i t e の文字列が隠れてるんですよ。dの横線をあえて縦の線からはみ出させることでtを含ませる技法、ちょっと天才すぎますね。

 

 そのためにClubをKlubにしたのかというと、実はKlubというドイツ語の単語があるんですね、意味はClubと同じ「クラブ」です。ドイツ語といえば滅却師(macの予測変換で一発で出るのすごい)を彷彿とさせるし、Outside、つまり外側ということでジャンプ等の雑誌媒体には載らない、ここだけのコンテンツが載ってるよという意味も含まれていて、すごいの一言です。感動で前が見えない。

 

2.読者↔︎漫画家の新しい関係性の構築

 

 と、ここまではあくまで狂ったファンの熱狂でしたが、ちょっとだけ真面目というか感心というか、個人的に面白いなと思ったことを書きます。

 先日公開されたジャンプフェスタオンラインで久保先生が語っていたんですが、それがめちゃくちゃ思慮深いというか、新しい時代を齎すかもしれないなぁと思いました。

 

youtu.be

 

 16:00あたりからになりますが、ファンクラブに関して久保先生が「読切は面白いけど連載が売れなくて漫画家を辞めちゃう人がいて、それがもったいない、なんとかしたいと思っていた。ファンがそういう好きな漫画家を応援できる形があればいいな」と口にしています。

 

 今までの読者と漫画家の関係って、良くも悪くも非対称だったんですよ。

 というのも読者が好きな漫画家に対してできることって、「単行本を買う」「雑誌のアンケートを出す」ことくらいなんです。

 

 前者に関しては一番直接的な応援(印税が入るので)ですが、後者はもしかしたら馴染みがないかもしれません。ジャンプとかマガジンとか、その手の週刊誌は毎週読者アンケートというものを行っていて、その人気不人気によって作品の打ち切りとか掲載順位とかが決まったりします(他誌はちょっと詳しくないですが、ジャンプは割とアンケート順位によって掲載順位が決まってたりしますし、アンケート順位が低いと連載会議で打ち切り対象になったりします)。

 

 よく「単行本の売り上げが良ければアンケートが低くても大丈夫」と言われたりしますが、シャーマンキングは最後打ち切りでしたし、ぬらりひょんの孫も姉妹誌に移籍になって最終回(駆け足気味)を迎えました。ので、本当にその漫画家を応援したかったら単行本を買う他、掲載誌のアンケートを毎週出す、ということをしなければいけません。

 ただ、それをしたからといっても読者の絶対数が少なければ他の作品との競争に負けてしまいますし、そうなるといくら好きな作品でも打ち切りの憂き目にあってしまいます。

 で、この決定をしているのは雑誌の編集部なので、読者は漫画家を応援したくても応援できない可能性があるわけです。

 

 今回の作者ファンクラブは、その読者と漫画家の関係性を再構築するのではないか、と思います。

 今までは読者↔︎掲載誌↔︎漫画家という、間接的な応援形態だったものが、編集部や出版社を介さない、読者↔︎漫画家という直接的な繋がりになるということです。もちろん作者自身の知名度や作品のネームバリューに依存するので全ての漫画家がこの恩恵に預かれるかといえば違いますし、このファンクラブ運営だけで食っていけるようになるかといえばそんなに甘くないのかなとも思います。

 

 それでも、資本主義社会の中で我々が依存せざるを得なかった、私企業が提供する雑誌というプラットフォームから脱し、個人間での繋がりを基盤に金銭的な援助ができるというのは、とても面白く、新しい試みだと感じました。

 それはちょうど、アイドル事務所という私企業に所属するアイドルへのアンチテーゼとして、アイドル個人が自身をマネジメントし、撮影会や握手会をセッティングする「個人アイドル」が登場したことと似ている気がします。どちらが良いとか、優れているとかいう話ではなく、双方が存在することで多様化するという、資本主義的構図の中での生き方の模索ですね。

 

 というわけで、全人類このファンクラブに登録しましょう。

 住民票が発行されたり推しキャラを選べたりするので、めちゃくちゃ面白いですし、何よりサイトのUIが全部オサレで最高です。

 

 それでは。