ディベート小噺:2年ぶりのオフライン大会、ねこちゃんぴおんしっぷに参加した話

 ども、けろです。

 どうも、というよりもお久しぶりです、という言葉の方が似合うこのブログ、ついに記事更新を放置して1年が経過していました。明日書こう、明日書こうと思っていたらこんなことになっていました(チュートリアル徳井)。

 

 書くネタがなかったわけでは断じてなく、シンプルに時間がなかったり気づいたら旬を逃していたりと色々な理由があるわけですが、まぁそれら全て言い訳なので鼻で笑ってください。

 

 1年ぶりのブログ更新は、つい先日2年ぶりにオフラインで開催されたねこちゃんぴおんしっぷ、通称ねこちゃんという大会への参加してきた感想記事です。

 コロナ禍が始まったのが2020年の春先だったので、ちょうどこの春で丸2年になるわけですが、ちょうどその時期からディベートの大会環境も国内外問わずオンライン化し、zoomやdiscord、mixidea等プラットフォームの違いはあれど最近の大会=オンラインというのが当たり前でした。

 これは誰が悪いという話ではなく、シンプルにコロナ禍という情勢や、大学が施設を貸してくれないという外的な理由等本当に色々な不可抗力的な事情が起因しているのだと思います。

 

 そんな中2年ぶりに開催されたオフライン大会。僕はもうウッキウキでした。それはもう楽しみで夜しか眠れませんでした。

 

 というわけで前置きが長くなってしまいましたがやっていきます。

 ちなみに予め言っておきますが、本記事には僕の感想以外に得られるものはありません。各ラウンドでどのサイドでどんな話をしたとか、こういう論題ではこういう話ができるよねとか、その手の生産的な話は一切ないので、その手を話を期待した人はここでブラウザバック推奨です。

 

 一応先に結果を書いておくと、4位でブレイクして準優勝でした。個人9位でした。ちなみにアイアンで参加しました。以上。

 

1.オフライン大会クッッッソ楽しい

 

 まず当たり前かつ最大の感想ですが、本当に楽しかったですディベート大会の目的というのは当然ディベートをすることであり、そこにオフラインとオンラインの差というのは存在しません。スピーチをする場所が聴衆の前になるかパソコンの前になるかの違いくらいしかなく、「競技」の観点で言えば個人的に大きな差はないと思っています。

 

 ただ、それでもオフライン大会はその「オフライン性」ゆえに最高に楽しい機会を提供してくれると思っています。

 

kerokero0441.hatenablog.com

 

 いつぞやの記事でも書きましたが、オフライン大会にもオンライン大会にも、どちらにも利点や欠点があり、一概にどちらが優れているという結論を出すことはできませんし、僕にもできません。ただ僕は(どちらも大会も好きという好意的な感情を持っているのは前提としつつ)、オフライン大会の方が「好き」です。これは僕個人の好き嫌いの話なのであまりに気にしないでもらって大丈夫です。

 

1-1.ラウンド間・ラウンド終わりの談笑

 

 各ラウンド部屋での試合が終わり、部屋の外で対戦相手やパートナーと話す束の間の時間。直前のラウンドで何が話せたか、今何点持っているのか、大会全体の難易度はどうかなど、特にとりとめのない話に花を咲かせる時間、僕は本当に好きです。と同時に、この時間が当たり前じゃない世代もいるんだなということに驚かされました。

 言ってしまえばコロナ以前と以後の世代間分断ということだとは思うんですが、僕たちコロナ以前の世代が「懐かしい」と思うことが、コロナ以後の世代にとっては「初めて」だったりするので、その違いが楽しかったですね。

 

 ラウンドとラウンドの間にはORでみんなでワイワイ会話を楽しみながら結果に一喜一憂したり、対面だからこそできる会話のキャッチボールを楽しんだり。何が一番懐かしいって、「みんなの顔を見ながら会話ができる」ところですね。目の前に生身の人間がいるというのは、やっぱり代替が難しい喜びだよなと思います。

 

1-2.昼食タイム

 

 今回の大会は国立オリンピック記念青少年総合センター、通称オリセンで開催され、昼食はそこの食堂でした。

 ラウンドの緊張感から解放され、古い友人やラウンドで対戦した人たちとご飯を食べながら交わす会話も、やっぱりオフラインならではだよなぁ〜〜〜と。

 オンラインだと自宅で一人ご飯を食べたり、仮にパートナーとオフラインでプレパできても2〜3人という少人数だったりするのでその規模感の違いはやっぱり肌で感じました。もちろんご時世的に黙食が推奨されているのであまり大きな声での会話はいけませんが。

 

2.オリセンが懐かしい

 

 前述の通り今回の大会会場はオリセンだったわけですが、恐らくこの会場は2020年以前に大学に入学されたディベーターには馴染み深い施設ではないでしょうか。

 JPDUの春セミナーや夏セミナーなどの大きな催しの際には宿泊施設を併設しているこのオリセンを借り、レセプションホールで交流会をしたこともありました。懐かしいですね。

 まぁこの春セミや夏セミも、直近ではオリセンを使うことが減ったりもしていたのでもしかしたら現役生の中でもオリセン経験者というのは少なくなっているのかもしれませんが、何せ学部入学が2013年の僕からしたらめちゃくちゃ懐かしい場所なわけです。

 

 小田急線の参宮橋駅からオリセンへの行き方も、ORとして使用される部屋への行き方も、びっくりするくらい体が覚えているんですよね。食堂の場所もラウンド部屋の場所も、およそ3〜4年ぶりの来訪とは思えないほど鮮明な記憶が蘇ってきて、勝手に懐古厨になっていました。

 そう考えるともう長いことICUにも行けてないし、青学や東工大にも行ってないですね。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが。

 

3.アイアン参加はクッッソ大変

 

 さて、当の大会参加ですが、なんと僕はアイアンとしての参加でした。

 パートナーが諸事情により参加できなくなってしまい、アイアンとしての参加が決定したのが前日の夜。個人的にはこの時点で大会頑張るぞ!の気持ちが高まっていたのでアイアンでも参加が認められたのは不幸中の幸いというか、むしろありがたいなと思っていました。コミの皆さんの対応に大感謝です。

 

 とはいえアイアンでの大会参加、想像している5倍は大変だったので忘れないうちに書き記しておきます。皆さんもアイアンで参加することがあるかは分かりませんがくれぐれもご自愛ください。

 

3-1.酸欠になる

 

 これはアイアン参加というよりもマスク着用という側面が大きい気もしますが、シンプルに1ラウンドで14分スピーチをするとマジで肺が酸素を欲します

 1分間に喋れる情報量はマスクを着けても着けなくても変わらないので呼気の量は一定なのに、マスクによって吸気量が著しく制限されているので本当に酸素が足りない。スピーチ終わりには肺の真ん中あたりが苦しさを訴えてくるのはもちろん、スピーチ中も時折息切れで深呼吸が必須でした。マジで苦しい。

 大会が始まる前はウッキウキで「アイアンでブレイク目指すぞ〜!いっぱい喋るのお得な気分!」とか余裕をぶっこいてたわけですが、精神的な余裕以前に肉体が悲鳴をあげるとは思ってもみませんでした。1Rが終わった時点で「え、これが最低でもあと2回あるってマジ?」と恐怖してました。

 

3-2.喉が死ぬ

 

 結果的にブレイクしてGFに進出することができたので計4ラウンドスピーチをしたわけですが、冷静に考えて7分×4ラウンド×2回分で56分の英語スピーチを1日でするのはマジで喉が終わります。POIの時間も含めるとほぼ1時間ですね。狂ってやがる。

 もちろんぶっ通しで1時間喋っていたわけではないんですが、それでも喉を普段とは違う使い方で酷使したのでまぁ当然といえば当然です。

 

3-3.脳が疲弊する

 

 とは言っても酸欠や喉の死はそこまで大きな負担というわけでもなく、一番笑ってしまったのは脳の疲弊が尋常じゃなくデカいことです。

 1日に3〜4ラウンドを消化する大会の性質上、もちろん1日の終わりになると疲れて当たり前なんですが、なんというか疲労の「深さ」が段違いなんですよね。

 

 プレパで2人分の出力をこなしたこともそうですが、一番は「求められる役割の異なる2つのスピーカーを意識的に分担すること」だったなと。

 PMとDPMでは役割や求められていることが異なるし、話す内容も変わってきます。それはチーム内だけで完結する内容ではなく、対戦相手のスピーチに対しても柔軟に対応しなければいけないということです。

 オープニングであればファーストは「自チームのケースをきちんと建てきること」が求められ、セカンドは「前の話を踏まえた上でオープニング間で比較軸を建てること」が要求されます。

 その上で相手に投げる反論も、種類や性質を変える必要があったりするのでそれを意識的に切り替える作業が笑っちゃうくらいの負荷でした。

 

 というのも、やっぱり同じ人間の脳みそで考えている以上、どうしても思いつく反論の種類や方向性、使うexampleの傾向というのは似てくるんですよ。それをそのままファーストとセカンド両方で使ってしまうと、どうしてもセカンドの反論は「ファーストで言っていたことの繰り返し」と評価されてしまいあまり勝ちに繋がりません。

 となると、プレパの時点から「意識的」に反論を階層化して分割し、比較軸を作る際にはなるべく新しいexampleを盛り込めるように思考を回したりする必要があるので、この作業がとにかく重たかったですね。

 

 とはいえこの作業を大会でできる機会というのはそうそうないのでめちゃくちゃ貴重な体験でしたし、むしろ気持ちの良い負荷の掛け方だなと感じていたので嫌とかそういうネガティブな感情は一切抱きませんでした。当然ですが欠場してしまったパートナーに対する否定的な感情も一切ありません。

 

 ここら辺の思考の使い方の差異については、もし希望とかがあればゆるりと記事にして書いていこうとは思います。多分生産的な内容にはならないと思いますが。

 

4.ディベート界への思い的な

 

 今回のねこちゃんは有志の方が尽力してくださり、オフライン大会に至りました。その心労や大変さには頭が上がりませんし、コミ・ACの皆さんには何度ありがとうと言っても足りません。

 

 昨年には一度感染が落ち着いてきたコロナ禍も、オミクロン株の流行により再びどうなるかわからない状況になってしまいました。データ上は弱毒化しており、風邪に良く似た症状が多く見られることからそこまで危惧する感染症なのかは懐疑的ではありますが、世論的にはまだ封じ込めの意見も一定の影響力があるようで、今後の政府の方針もどうなるのやら、といった感じです。

 

 ディベートの大会に関してもその影響を受けやすく、今回のねこちゃんはオフライン開催だった一方、その他多くの大会はオンラインで開催せざるを得ない状況です。もちろんオンライン大会には多くのメリットがあるので一概にオンラインが常態化した環境を悪いと言う意図はありませんが、今回初めてオフライン大会を経験した方々は、どうか今回感じた「楽しさ」を忘れないでほしいなと思います。それはきっとかけがえのないものだと思うし、何かの時に背中を押してくれると思うので。

 

 以前のようにオフライン環境が当たり前になるにはまだ少し時間がかかると思いますが、その時にまた皆さんに会えることを僕は楽しみにしていますし、まだ当分はディベート界の端っこでスマブラをしようと思います。

 

 今回初めてお会いできたTwitter民の方も、久しぶりに顔を合わせて話ができた方も、お体に気をつけてまた次のオフライン大会でお会いしましょう

 

 

 それでは。