ディベート小噺:「コミ」に関して〜第二弾〜

 ども、けろです。

 最近、色んな人がブログを始めているようで、多様な意見発信に触れることができて嬉しい限りです。

 同時に、新規性やらブログネタに一工夫必要になってくるなぁ、という昨今のYouTuber、あるいは上手いチームがオープニングにいた時のBPのクロージングのような悩みにも直面していますが、私の持ち味はこのブログにも表れている「圧倒的不定期更新」なので、それに関しては他の人の追随を許さないですね。負ける気がしません。

 

 さて、「コミに関して」のシリーズ記事、第二弾です。

 ついこの間第一弾を投下したばかりだというのにこの筆の速度、我ながら驚嘆します。

 

 第二回目の更新はずばり、「コミュニティに伝えたいこと」です。

 以下、目次です。

 

〜コミュニティに伝えたいこと〜

0.はじめに

1.コミをリスペクトしよう

2.会場は綺麗に使おう

3.みんなコミをやろう

 

0.はじめに

 ブログ冒頭でブログを書く人が増えたことに触れました。

 せっかくなので、個人的におすすめのブログのリンクを貼ることで露骨な良い人アピールをしつつブログの文字数を稼ごうと思います。

 

東映杯TDが呟いてます。」

 某東映杯のTDが大会運営について綴ってくれています。最近ブログ開設をしてくださったようで、今後の記事が楽しみです。2017年のJapan BPで一緒に仕事したのが懐かしすぎて死ぬ。

https://yuzulemon-debate.hatenablog.com/

 

「とあるまさおの討論録(ディベートログ)」

 某まさおというディベーターが色んな角度から記事を投げてます。海外大会の雰囲気ポストから、レクチャー資料の投下まで。結構幅広くいろんなことを書いてくれてるので、読んでいて楽しいです。

http://debate-masao.hatenablog.com/

 

「夏セミンゴ2018」

 とあるぴやうーという生き物が書いているブログです。

 具体的な論題にフォーカスした解説記事や各種概論記事、ウィットに富んだ文章は非常に読みやすく、ディベートを始めたての人に是非読んでほしい記事がたくさんあります。

https://youjin2237.hatenablog.com/

 

「マリアのディベートブログ」

 カナダの名門大学に留学していた某マリアというディベーターのブログです。

 昨今ディベート界に根付き始めたEquityという文化・制度。国内では未成熟だったそれらのシステムに対する様々な文章化・制度運営・エジュケ等を行う姿勢がまじで憧れるし、それらを扱ったブログ記事は、大会に出る出ないに関わらず全ディベーター必読です。

https://profile.ameba.jp/ameba/maria-debatenotes

 

「弁論ブログ」

 某京大OBの方が書かれているブログで、いろんな角度からいろんな記事を投げていて面白いです。練習方法やルールへの建設的な批判等もあって、タメになることが多いです。このブログで取り上げられている変則BP練習方法は巷ではTGIさん方式と名付けられているそう。うらやまC。

https://benron.hateblo.jp/

 

「弱者の遠吠え」

 前述の「弁論ブログ」同様、京大OBの方のブログです。ここ最近は記事の更新がないのがちょっぴり寂しいですが、各論に関する記事や、自身の経験に基づいた留学記、(日本の大会で初めてEquity Policyが導入された)大会におけるEquityに関する記事等、読み応えがあります。

http://jakushanotooboe-debate.blogspot.com/

 

ディベート自由帳」

akさんのブログです。

http://debatejiyucho.blogspot.com/

 

 

1.コミをリスペクトしよう

 目次にしておいて、それ以上言うことが思いつかないんですが、これに尽きます。

 コミというのは、正直ほとんどボランティアです。最近はコミフィーの導入等もあり、完全無償ではない側面もありますが、基本的に(一般における仕事と異なり)完全な慈善事業です。

 誰に言われるでもなく大会を運営し、大会の2~3ヶ月前(大会によってはもっと前)から地道に準備し、当日はキツキツのスケジュール(*1)をなんとかタイムテーブル通りに回し。それらの仕事は、大会後に疲れた体にビールを流し込むまで続きます。

 正直、手放しで「たのしいよ!アットホームな職場!笑顔に溢れてます!」と言い切ることはできません。辛いこともあるし、学業やアルバイト等もある中での大会運営は結構しんどいこともあります。

 

 なので、皆さんは可能な限り、コミの方々に敬意を払ってあげてください。

 ここでいう「敬意を払う」というのは、対面でお礼を言え、ということではありません。もちろん言われたら言われたでめちゃくちゃうれしいけど。

 

 例えば1st phase/2nd phaseを締め切り前に出したり。

 例えば欠席の連絡はなるべく早く送るようにしたり。

 例えばコミがORで喋っている時はリフレクや雑談をやめて話を聞いてあげたり。

 

 「自分がされたらどう感じるのか」を常に念頭に置いてほしいな、というのが率直な意見です。

 特に、コミの方がなにか話している時は、お願いだから話を聞いてあげてください。ただでさえスケジュールが逼迫している中で、コミの方々は大事な連絡をしようとしてくださってます。

 ジャッジエバリュエーションが出てないとか、次のラウンドの諸注意とか、大会告知の募集とか。

 対戦相手の話を1時間座って聴くことができるなら、コミの人の連絡事項を1~2分聞くことはなんら苦痛ではないはずです。

 

 

2.会場は綺麗に使おう

 リスペクト、に通ずるのですが、これは本当に重要なことです。

 最近は確かに減りましたが、それでも大会終わりに会場を見渡すと、飲みかけ/飲み終わったペットボトルが放置されていたり、おにぎりの包みが乱雑に残されていたりします。あえて真っ直ぐな言葉を、正直に言いますが、「やってらんない」です。

 大会後の撤収作業はあくまで忘れ物(*2)を探したり、会場の現場復帰(黒板を消す、窓を閉める、エアコンを切る、机や椅子を並べ直す、消灯する)が主です。

 会場によっては使用時間が決まっているものもあり、その時間内に撤収しなければいけないため、ここは結構ドタバタすることが多いです。

 そんな時に、誰が残していったか分からないペットボトルゴミやお菓子の包み紙を(既に閉じてしまったゴミ袋を開け直して)処分しなければいけないのは、冷静にしんどいし、余分な仕事でしかありません。

 

 具体的な名前を挙げることは伏せますが、以前大会で使用したある大学は、大会での使用の仕方が悪かったため、今後の貸し出しを渋るという判断をしたそうです。

 皆さんが何気ない気持ちで放置していくそのゴミが、巡り巡って自分たちの首を絞めているということに気づくのは、好意的に会場を貸し出してくれる大学がなくなってしまってからでは遅いのではないでしょうか(*4)。私達が、比較的安価な値段で大会に参加できているのは、大学側が基本無償で施設を貸してくださっているからです。

 そうした大学側の好意とコミの尽力を、ゴミの放置や会場の不適切な使用というやり方で無碍にする人達に、これからの社会の正義を語る資格はないと私は思います。何も難しいことではありません。朝、最寄りのコンビニで買ったおにぎりの包みや飲み物、そのゴミをきちんと捨てる、それだけのはずです。

 

 

 ゴミは、皆さんが家で過ごされている時と同様に、一人でにゴミ箱に歩いて行くわけじゃありません。

 

 かつ、ゴミはきちんと分別しましょう。燃えるゴミの日にペットボトルのゴミを出しても回収してくれませんし、プラゴミと一緒にされた燃えるゴミはリサイクルできません。ゴミ袋の中でぐちゃぐちゃになったそれらのゴミを、わざわざ分別し直しているのは、神の見えざる手ではなく、血と感情の通った人間です。

 

 もちろん、本当にうっかり、忘れてしまうこともあると思います。その時は心の中で手を合わせてください。決して「ま、いっかw」などと矮小化させないでください。

 そして、大会中にコミが「次のラウンドまでにゴミ袋を閉めます」と言っていたら、その言葉を守ってゴミを捨ててください。決して閉じられているゴミ袋を無理に開けて捨てたり、会場のそこら辺に放置して行かないでください。

 

 自分が尊敬してやまないとある方(*5)が、ある大会でCAをやられた際のクロージングアドレスで「ディベーターはお客様ではない」と仰っていました。

 本当にその通りだと思うし、コミだけがどんなに頑張っても、大会を良くすることには限界があると思います。大会を素晴らしいものにするためには、コミだけではなく参加者のみんなの協力が不可欠だとひしひしと感じます。

 

 

3.みんなコミをやろう

 と、負の側面(のように見えるもの)ばかり書いてしまいましたが、コミの仕事はなにもつらいことばかりではありません。むしろスムーズに運営できていれば、めちゃくちゃ楽しいです。

 特に、気心の知れたコミ仲間や、初めて一緒に仕事をする人と過ごすラウンド間の空き時間とか、大会前の雑談とか大会後の打ち上げとか、「同じイベントを作り上げた仲間」だからこそ共有できる時間や経験は、実際に運営に関わってみないと得ることはできません。

 ディベーターやジャッジといった、所謂競技者としての関わり方以外で見えてくる楽しさというのは、短い大学生活の中でなにかしらの糧になるはずです。ちなみに自分は就活で猛アピールしました。バイトリーダーにはなれなかったけどTDにはなれた。

 

 かつ、上述の苦悩や影の側面は、意外とやってみないと見えてきません。

 以前自分のTwitterで呟いたんですが、大会中に目に見えるコミの仕事というのは全体のほんの一部で、職種によっては全く見かけないこともあります。

 

 自分が片付けるゴミの類が、実は過去の自分の無自覚さの蓄積なのだと気づく人が増えてくれれば、このコミュニティはきっともっとキラキラとした素晴らしい場所になると思います。

 

 

 もちろん、最近は優しい方が増えてきたのか、これらの問題は減りつつあります。ただそれでも、中々ゼロにはならない。

 月並みの言葉で締め括りますが、ぜひみんなで手を取り合って、このコミュニティをより良くしていきましょう。

 

 

*1:国内の大会は大抵土曜日に予選4ラウンド、日曜日に本選3~4ラウンドです。1ラウンドにかかる時間が(プレパ時間、スピーチ時間、ジャッジ時間等々)1時間半~2時間とすると、4ラウンドをきっちりやりきるのは結構大変です。場合によってはR3からサイレントラウンド(*3)にして巻き返しを図る、ということもあります。

 

*2:ディベート大会の忘れ物ランキング、多分上位はフロー用紙、ボールペン、スマホの充電器の3つだと思います。冬の大会でたまに上着とか羽織り物が忘れ物として届きますが、どうやって帰り道の寒さを凌いだのかめちゃくちゃ気になります……

 

*3:勝敗を含むフィードバック時間がないラウンドのことです。2日間大会の場合、予選R4がこれにあたります。もちろんそれ以外にもありますが。

 

*4:今はただでさえ借用できる大学の数が限られています。社会の持続可能性を論じることも大事ですが、自分達のコミュニティ、競技の土壌の持続可能性と資源の有効活用も一緒に考えていきましょう。

 

*5:幸運なことに今まで本当に多くの方と組ませていただくことがあり、それぞれ貴重な体験だったんですが、「(ディベート観という点で)一番相性がいい人は誰?」と聞かれたら私は間違いなくこの人を挙げます。人柄もそうですが、ディベートの思考回路が私とは真逆で、そこが自分に欠けていた部分を埋めてくれた、という感覚を得ることができたからです。