ディベート小噺:「コミ」に関して〜第三弾〜

 ども、けろです。

 勢いに乗って書ききらないといつまでも終わらないということを卒業論文修士論文で学んだので、今回のシリーズ記事も脂が乗っているうちに書いてしまいたいと思います。

 

 では第三回更新、テーマは「コミの心得~これからコミをやる人へのメッセージ~」です。

 前回まではコミュニティ内の問題と、コミ目線での意見発信を記事として書いたので、今回は視点を変えて、これからコミをやる人に向けて、是非心がけてほしいことや、応援のメッセージのようなものを書きたいと思います。

 

 以下、目次です。

 

〜これからコミをやる人へ〜

0.はじめに

1.「報連相」は守ろう

2.タスク管理をしよう

3.自分なりの楽しみ方を見つけよう

 

 

0.はじめに

 先日、今後どんなブログを書いていこうか迷いながら仕事をしていたんですが、ディベートやらジェンダーに関する用語解説も織り交ぜていこうという結論に至りました。

 たとえば「性的同意」や「アファーマティブアクション」、「自由意思」等の、ディベートや実生活において目にする機会のある用語を毎記事1つずつ取り上げて紹介する、というのを(いずれ)やっていこうと思います。

 私個人では限界があるので、初回記事で設置した質問箱やtwitterのリプ、ブログのコメント欄等に適当に投げてもらえればブログ記事のストックも増えるのでありがたい限りです。

 

 

1.「報連相」は守ろう

 さて、これから初めてコミをやろうと思っている方がこのブログを読んでくださっていることを切に祈りながら、コミを数回経験した立場から何を伝えようかと思ったんですが、一も二もなくこれに尽きると思います。

 私自身、正規コミを10回ほど(*1)やらせていただいて、それ以外だと所属するESSで幹部職と、2016年度のJPDUで副代表をやっていました。といった感じで、組織運営やらイベント運営にほんの少しだけ関わっていたので、そのどの場合でも、一番大事なのは「報連相」でした。

 多分、これから社会人になる方はテスト前の親御さんの「勉強したの?」と同じくらい聞くことになると思いますが、「報告・連絡・相談」はチームとして動いていく中で一番大事なことだと思います。

 

 では、大会運営における「報連相」とは具体的になにを指すのでしょうか。

 個人的な感覚になるのですが、

 

 ・タスクの進捗度合い

 ・タスク完了報告

 ・タスク未了報告

 ・不明箇所の相談

 ・他のコミからの連絡へ迅速な返信

 

 あたりが該当すると思います。

 特に、「タスク未了報告」は「タスク完了報告」よりも大事だと思っていて、これをやるかどうかで他のコミ、とりわけTDの心労はぐっと減るのではないかと思います。

 なぜかというと、(私見ですが)チームとして仕事をしていく中で一番「ヤバい」といわれるのは、「仕事が(キャパ・能力・スケジュール等により)できない人」ではなく、「仕事の進捗を教えてくれない人・返信をくれない人」だからです。

 仕事ができない、というのは個人によって様々な理由があると思います。単なる向き・不向きに限らず、設定されたスケジュールにそもそも無理があったり、個人のキャパシティとタスクが釣り合っていなかったりと、原因はその当人だけにあるわけではありません。仕事を振った側にも責任の一端はあるし、そういう時は周りがサポートすることで遅滞なく仕事を終わらせることができます。

 

 振られた仕事を設定された締切までに終わらせることは当然大事ですが、もっと大事なのは、その仕事が(締切までに)終わらないと分かった段階で周囲にきちんと報告することです。そしてその際に、「○○が終わってません」というだけではなく、「△日までに終わらせます」と自分からきちんと期日を提示することで、周りや責任者(ここではTD)は全体の進捗を把握できるし、仕事のカバーに回ることができます。

 

 そういった意味で「仕事ができないこと」よりも、「仕事の進捗を教えてくれない・返信をくれないこと」というのはマジのマジで困ります。いやマジで。本当に。

 TDが「○○さん、この仕事終わりそう?」と確認をしても「もうちょいです!」と曖昧な返信で済ませてしまったり、その2日後くらいにあっけらかんと「まだです」と返したり、あまつさえ未読無視をしたり……。

 や、こちらとしては仕事が終わっていないことに対してはそこまで怒らないんですよ。元々コミの仕事のスケジュール設定にはある程度の余裕を持たせているので、少々の遅延であれば全然問題になりません。ので、「仕事終わりそう?」の連絡がきたからといって怯えないでください。本当に、あくまで確認として聞いていることがほとんどなので。

 一番困るのは、そうした(引け目や気恥ずかしさ、プライド等が起因となって)連絡が返ってこないことです。

 

 私自身仕事を溜め込んでしまった時に、「せや!まとめて片付けて一斉に投げてTD安心させたろ!」と思って1人で黙々と仕事をこなしたことがありました。でも、今にして思うとそれは完全に悪手で、仕事の進捗を当人以外が把握できないというブラックボックス化を招いていました。

 

 

 他のコミからの連絡には迅速に応じましょう!そして、仕事が終わらないということがわかったら、なるべく早くそのことを共有しましょう!その際には、「どこまでが終わっていて、どの仕事が残っているのか、その仕事はいつまでに終わるのか」を伝えてあげてください。それだけで周りの人の安心感が格段に変わります。

 

 同時にTDは、そこら辺に気を配って動けると良いと思います。仕事を振る時にも、一言声かけをするだけで、他のコミもそういうマインドを持って仕事をしてくれると思うので。

 

 あ、ちなみにこれはコミ内のことだけではなく、コミ-AC間でもいえることだと思います。特にコミとACは別のチームとして動くことが多く、それぞれの仕事を独立してやっていることが多いです。ただ、双方で連絡を取り合う必要があることも多く(JT締切日、ジャッジ資格の伝達、参加者リストの共有等)、完全に別のチームというわけではありません。「同じ大会を運営する一員」という共通認識を持って、双方の連絡はしっかり行いましょう!

 

 

 (完全に私見なのですが、再三の連絡をしたにも関わらず一向に仕事をしない・連絡を返さないコミがいた時に「解雇」という選択を持つこともありなのでは、と思います。その際に伴う新たなコミの登用等のハードルが厄介ですが、コミフィーを払う以上、運営に深刻な遅延を招く人をチームに置いておくことはデメリットが大きいと思うので。かなり難しいので実現するかは微妙ですが)

 

 

2.タスク管理をしよう

 そういう意味で、自分のタスクをしっかりと管理することは、報連相と同じくらい大事になってきます。

 タスク管理というとなにやら仰々しく聞こえますが、要するに自分の仕事のペース配分を決める、ということです。

 これに関してはかなり個人差があるので、この方法がベスト!というのは難しいです。平日はバイトや授業で忙しいから週末に一気に仕事を終わらせる人もいれば、逆に土日は羽を伸ばしたいから平日にコツコツ仕事をする人もいます。勉強とかと同じですね。

 大事なのは、自分のクセや好みを把握し、それに合わせて自分なりの締め切りを設けることです。ちなみに私は最近これを怠ってメンターに軽く怒られました。

 

 その際に使うのは別になんでもいいと思います。エクセルに仕事をリスト化してガントチャートを作ってもいいし、iPhoneのメモ帳に書き出してもいい、なんならレポート用紙に書き殴って目に見える場所に貼っておくのもいい。大切なことは、自分の仕事の進捗を可視化して、それをきちんとこなすことです。これをやるとまじでタスクの進捗度合いを自分で把握できるので生産性上がります。何が終わっていないのかをきちんと把握できていれば、ペース配分を考えることもできるので。

 

 そして、タスクが終わらなさそうと思ったらきちんと周りと共有してくださいね。

 

 

3.自分なりの楽しみ方を見つけよう

 さて、ここまで散々「仕事」に関する堅い話が続いたので、ここからは少し話題を楽しいものにしましょう。仕事の楽しみ方について、です。

 

 コミの仕事というのは、ある程度パターン化というか、ルーティン化されています。TCは賞状とかトロフィーを発注したり、CDはメールに対応したり、MDは各種スライド作ったりと、大会によって細かな仕事内容や重たさに程度はあれど、その仕事の大まかな像というのはそこまで差はないと思います。

 ので、その構造化された仕事の中に「自分」を見出すことは少し難しいというか、「この仕事は自分にしかできないんだ!」という自己肯定感を持つことって案外簡単じゃなかったりすることがあります。

 

 これからコミをやる人は、ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてください。それだけでコミの楽しさは全然違うものになってくるし、「仕事」の中に楽しさを見つけることができると思います。

 

 別に特別なことをやれ、ということではありません。ほんの小さな遊び心を見つけて、自分がワクワクできる何かを見つけるだけでいいです。

 

 ちなみに自分の場合、それはメールの時候の挨拶を「オサレ」にすることでした。オサレの意味は解説しません。

 自分は花言葉とか石言葉とか詩的な表現とかにロマンを感じてしまうタイプの厨二病で、「せっかくCDとして文章書くなら自分らしさ押し出そ!」と思った結果、以下のような大変厨二くさい時候の挨拶を書いていました。

 

「さざめく虫の羽音が雪待月の中に霞み、雲の合間から見えるペガススの四辺形に冬の足音を感じる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか。」

-Japan BP 2016 1st phase

 

 

 「冬の始まりを告げる山茶花の花弁が紅く色めき、色づき前の木の実が深碧の玉髄のように瞬きを放つ今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。」

-Japan BP 2016 1st phase リマインダー

 

「肌を撫でる冷たい木枯らしに晩秋が彼方へと消え、ノースポールの白い花弁に冬の到来を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。」

-Japan BP 2016 2nd phase 

 

「凍てつく夜空にオリオン座の星々が美しく輝いていますが皆様いかがお過ごしですか。」

 -JPDU練習会2016年2月期案内文

 

 我ながら、前半怒濤の勢いでポエム投下した後の「皆様いかがお過ごしですか」の意味不明さがすごいですね。ここまで文としての繋がりが感じられない文章もそうそうないし、これを「時候の挨拶」と宣っていたんだから当時の自分はすごい。あと遡ってみたら「炬燵」だの「ボジョレーヌーボー」だの、やたらお茶の間ウケを狙った時候の挨拶も出てきました。

 

 今ならもう少し練度の高いポエムを作れる気がしますが、もう正規コミはやらないと公言しているので。

 まぁなにが言いたいかというと、どんなにパターン化されたように見える仕事にも、楽しみ方はあるし、それを見つけられたら楽しさ爆上がりするよ、ってことです。

 例えばコミ/AC紹介を少し面白くやってみたり、オープニングムービーに自分の好きなアーティストの曲を使ってみたり、ブレイクアナウンスメントのスライドを凝ってみたり。

 そういう、「自分だからできる遊び心」を仕事に取り入れていくと、自分自身が一番ワクワクできるし、周りから見てても「この人楽しそうだなぁ」と思ってもらえます。良く言えば自由な楽しみ方、悪く言えば職権乱用ですね。

 

 もちろんやり過ぎは厳禁なので節度を保ってほしいですが、周りが許す範囲なら自由に楽しんでほしいし、「コミ=大変」という一辺倒なイメージを払拭できたらな、と思います。

 

 

 さて、3回に渡って「コミに関して」をお送りしました。近年のコミ不足、コミュニティへのメッセージ、コミの仕事面の話等、色々好き勝手書きましたが、これらの記事が少しでも、なにかしらの役に立ってくれれば、OB冥利に尽きるというものです。

 次回の記事ではコミに関する諸資料を載せて好感度アップを狙っていきたいと思いますので、もうしばらくお付き合いください。

 

 

 それでは。

 

 

*1:ふと思い立って数えたら、TDを3回、CDを4回、TCを1回、Supervisor(*2)を1回、Lecturer Careを1回の内訳でした。でも「プロコミ」と呼ばれる方々はもっと多くコミをやっているので、個人的には少ない方かなと思います。

 

*2:最近はこの役職を見かけなくなったのですが、その昔Pre-Australs(*3)という大会があった頃、多くの新2年生がこの大会でコミデビューするということもあり、一定の経験を積んだ上級生が監督役として携わることがありました。個人的にはこの大会に限らず、色々な大会で導入してもいいと思います。

 

*3:毎年6月頃、時期としてはAustrals前に開催される国内唯一のAustrals Styleの大会でした。コミ不足や会場の確保、国内でのAustralia Styleの需要低下といった諸問題があり、国内では2016年が最後の開催となりました。